【IPO】407A UNICONホールディングスの新規上場

2025年9月26日、UNICONホールディングス(証券コード:407A)が東証スタンダード市場に新規上場を予定しています。建設業は日本経済の基盤を支える重要なセクターであり、特に近年は国土強靭化政策や災害復旧需要を背景に注目度が高まっています。本稿では、同社の事業内容からIPOの詳細、株価の考察、さらに投資家が注目すべき特殊なポイントまでを丁寧に解説します。

1. 会社概要・事業内容

UNICONホールディングスは2019年4月に設立された持株会社です。最大の特徴は「地域連合型ゼネコン」として誕生した点にあります。東北地方の老舗建設会社4社が連合し、規模拡大と効率化を目指して統合したことで、地域密着型の建設業を新しい形に進化させています。

事業領域は大きく3つに区分されます。

インフラメンテナンス事業:道路や橋梁など公共インフラの維持・補修に加え、災害時の迅速な復旧工事を担います。地震や豪雨災害が頻発する日本において、社会的使命を果たす重要な部門です。 民間建設事業:民間発注による建築・土木工事。住宅や商業施設、工場などの施工を幅広く受注しています。 兼業・関連事業:美容室、不動産賃貸、太陽光発電、ガソリンスタンドなど、地域社会に根ざした多角経営も展開。これにより、安定収益源の確保と地域活性化への貢献を両立しています。

地域の技術者が相互に協力できる体制を構築し、従来の中堅ゼネコンには難しかった大型案件への入札や広域対応を可能にした点は、業界における新しいモデルケースといえるでしょう。

2. IPO時のオファリング概要

今回のIPOに関する条件は以下の通りです。

証券コード:407A

上場市場:東証スタンダード

業種:建設業

想定価格:1,060円

仮条件:1,000円~1,060円

公募株数:0株(公募は行わず、売出のみ)

売出株数:4,725,100株

オーバーアロットメント:708,700株

オファリング株数合計:約4,725,100株

想定吸収金額:約57.6億円

想定時価総額:約104.9億円

仮条件決定日:2025年9月5日

ブックビルディング期間:9月9日~9月16日

公開価格決定日:9月17日

購入申込期間:9月18日~9月24日

上場日:2025年9月26日(金)

主幹事証券会社:野村證券

取扱ネット証券:楽天証券、SBI証券、岡三オンライン、大和コネクト証券、DMM

今回のIPOは公募株がなく、既存株主による売出主体のオファリングです。これは資金調達よりも株主の持分整理を目的とした上場であることを示しています。吸収金額はスタンダード市場としてはやや大型であり、需給面では慎重な判断が求められるでしょう。

3. 株価についての考察

想定価格ベースでの主要指標は以下の通りです。

PER(株価収益率):約14倍 PBR(株価純資産倍率):2.1倍 配当性向:高水準 配当利回り(特別配当含む):28.6% 配当利回り(通常配当ベース):4.2%

ここで特筆すべきは「配当利回り」です。一時的に28.6%と異常に高い数字が出ていますが、これは上場前に利益剰余金を株主還元として特別配当に充てたためです。通常の年間配当は1株45円であり、想定価格から計算すると利回りは約4.2%となります。それでも東証スタンダード上場企業の中では高配当銘柄に分類され、投資家の関心を集めやすいでしょう。

業績については、2024年6月期には特別損失を計上したことから減益となりましたが、2025年6月期は売上高1,762億円(前年比+12.9%)、当期利益111億7,000万円(+53.9%)と増益予想が示されています。公共工事需要の拡大を背景に安定成長が見込まれる一方で、短期的な株価には需給面の圧迫要因が残ります。

4. 当該IPOの特殊なポイント

UNICONホールディングスのIPOには、いくつか他社事例と比較してユニークな要素が存在します。

① 地域連合型ゼネコンという独自性  地域の中堅企業が連合し持株会社化したケースは珍しく、今後の地方建設業の再編モデルとなり得ます。 ② 特別配当による高配当利回り  IPO直前に大規模な利益余剰金を配当に回したことで、一時的に高配当銘柄として注目を集めています。これは株主還元姿勢を示す一方で、初値形成にどのような影響を与えるかが焦点です。 ③ 売出主体の大型オファリング  公募なし、既存株主による売出主体であるため、資金調達よりもEXIT色が強い案件です。需給における重しとなる可能性があります。 ④ テーマ性の強さ  国土強靭化政策、防災・復旧工事、インフラ老朽化対策といった社会的テーマを背景に、中長期的な安定成長を期待できる点は投資妙味があります。

5. まとめ

UNICONホールディングス(407A)のIPOは、地域連合型ゼネコンという新しいビジネスモデルと、IPO直前の特別配当により一時的に高配当銘柄として注目を集める点が大きな魅力です。一方で、公募なし・売出主体という点から資金調達型のIPOとは異なり、需給バランスへの警戒が必要です。

短期的には初値の大幅上昇は限定的と見られますが、中長期的には国土強靭化政策や公共投資需要を背景に、安定的な収益基盤を持つ企業として評価される可能性があります。個人投資家にとっては、配当利回りの高さとテーマ性を武器に、長期保有視点での投資妙味がある案件と言えるでしょう。