IPO市場では、データベースやマーケティング支援といったDX関連業種が注目を集めています。そんな中、法人データベース「LBC」を核とし、営業支援ソリューションを提供するユーソナーが、2025年10月17日に東京証券取引所グロース市場へ新規上場を果たすことが決定しました。本記事では、会社概要からオファリングの詳細、株価の見通しや注目ポイントまでを整理してご紹介いたします。
会社概要・事業内容
ユーソナーは、1990年9月設立。情報・通信業を業種とし、「データベース & マーケティング支援業務」を主力事業として展開しています。主力商材は、公開情報を基に独自構築した法人データベース「LBC」。2025年6月末時点で日本全国約1,250万箇所の事業拠点を網羅しており、営業・マーケティング活動、顧客データの統合・クレンジング、与信・反社チェック等に活用されています。LBCを参照し、クライアントの保有する顧客データを一元化・名寄せ・統合するクラウドサービス「ユーソナー」、営業リスト作成に特化した「プランソナー」、名刺管理と営業支援を組み合わせた「mソナー」、さらに登記情報を利用した新サービス「登記ソナー」など、多様なサービスを持っています。経営陣や主要株主には創業者、三井物産企業投資や日本政策投資銀行などが名を連ねています。
IPO時のオファリング概要
証券コード:431A
上場市場:東証グロース
業種:情報・通信業
想定価格:1,910円
公募株数:50,000株
売出株数:2,265,000株
オーバーアロットメント:347,200株
オファリング株数合計:2,315,000株
想定公開規模(吸収金額):約50.8億円(想定価格 × オファリング株数合計)
時価総額(上場時想定):約165億円
仮条件決定日:2025年9月30日
ブックビルディング期間:2025年10月1日 ~ 2025年10月6日
公開価格決定日:2025年10月7日
購入申込期間:2025年10月8日 ~ 2025年10日14日
上場日:2025年10月17日
主幹事証券:野村證券
株価についての考察
想定価格は1,910円とされており、これを基準に公開株数や売出株数から算出される吸収金額は約50.8億円、上場時の時価総額は約165億円と見込まれています。規模としては中型案件と言えるでしょう。これだけの売出株数があるため、流動性は比較的高いものになることが予想されます。業種がDX・データベース関連であることもあり、テーマ性の評価はプラス材料です。一方、売出中心で公募が非常に少ないこと、PER・PBRが想定ベースでやや高めとされていることも指摘されており、初値の伸びには限界がある可能性があります。初値予想としては1,910円〜2,400円あたりという予測が複数のアナリストから報じられています。
当該IPOの特殊なポイント
このIPOの特殊な点としてまず挙げられるのは、売出比率が非常に高いことで、公募株がごくわずか(50,000株)であるということです。投資家が当選する機会は売出株ほうに多く依存するため、需給の観点からは売出し株の需要動向が価格設定に与える影響が大きくなります。また、LBCのような大規模法人データベースを保有する点や、クラウドサービス・名寄せ機能など複数のサービスを組み合わせて提供している点も評価されやすい要素です。さらに、想定価格1,910円という価格設定は、業績やテーマ性を考えると一定妥当性があるとの見方があり、またオーバーアロットメントが約15%弱(347,200株/2,315,000株)設定されていることで、需給過多の際の対応が準備されている点も注目されます。
まとめ
ユーソナーのIPOは、データベース・マーケティング支援というテーマ性、LBCデータベースというコア資産、そして売出中心ながらも公開株数が2,315,000株と流動性が見込めるという点で、投資家からの関心が高まる案件です。想定価格1,910円を下回るリスク、過剰評価の懸念、そして初値上昇余地の見込みのバランスをよく見極める必要があります。個人的には、テーマ性と将来の成長性を評価してまず参加を検討するスタンスですが、参加する証券会社やブックビルディングでの需要動向を注意深く追いたいと思います。




