クラシコは、医療従事者向けの白衣・スクラブ・患者衣などメディカルアパレルを企画・開発・販売する D2C×法人ハイブリッドのメーカーです。高機能素材とテーラード発想のデザインを兼ね備え、直販EC・医療機関向け導入・海外展開を三位一体で伸ばす戦略が特徴です。本稿では有価証券届出書と上場会社公表資料に基づき、オファリング条件・需給とバリュエーションの示唆・留意点を機関投資家向けに整理します。
会社概要・事業内容
同社は2008年設立。定番の「Classico」やコラボ商品群を核に、国内ECと医療機関向け法人販売を主軸としてきました。直近期(2024/10期)の売上は30億円規模で黒字転換を確認でき、会員基盤やリピート比率の高さが収益の粘着性を示唆します。今後は国内法人導入の深耕と、選択と集中を伴う海外展開での規模化が主要ドライバーになります。
IPO時のオファリング概要
証券コード:442A
上場市場:東証グロース
業種:繊維製品(メディカルアパレル)
想定価格:1,030円(届出書の想定発行価格)
公募株数:280,000株
売出株数:0株
オーバーアロットメント:42,000株
オファリング株数合計:322,000株
想定公開規模:3億3,166万円(想定価格×公募+OA)
時価総額(上場時想定):約20.9億円(上場時発行済2,028,390株×想定価格)
仮条件決定日:2025年10月17日
ブックビルディング期間:2025年10月20日~10月24日
公開価格決定日:2025年10月27日
購入申込期間:2025年10月28日~10月31日
上場日:2025年11月5日
主幹事証券:大和証券
(根拠:届出書・東証「新規上場会社概要」・主幹事公表。仮条件は1,220~1,390円)
株価についての考察
本件は超小型の公開規模(想定約3.3億円)かつ売出ゼロの100%公募で、OAを含めたフリーフロートは限定的です。オファリング・レシオは約15.8%で、初値形成は需給の影響を強く受ける設計と言えます(仮条件1,220~1,390円に引上げ)。需要タイト化が初値上振れ要因になり得る一方、出来高の細りによるボラティリティ拡大を前提に流動性コントロールが必要です。
バリュエーションは、想定価格1,030円→仮条件上限1,390円へのレンジ拡大により、想定PER水準からの再評価余地と同時に、上場直後の短期妙味は圧縮される公算です。投資論としては、①法人導入の継続率と単価ミックス改善、②在庫回転・粗利率と販管費のコントロール、③海外の選択的展開の実効性、④ロックアップ解除イベント前後の需給、を四半期ごとにトラックする「段階的なポジション構築」が適しています。
当該IPOの特殊なポイント
クラシコはデザイン×機能の差別化を掲げるニッチ特化プレーヤーで、直販(D2C)+法人導入+海外のチャネル多角化が効いています。公開構成は公募中心・売出ゼロ・OA 42,000株で、需給面の初値ドライバーが明確です。さらに上場時発行済株式総数は2,028,390株と小粒で、**吸収金額3.3億円(想定)/3.9~4.4億円(仮条件レンジ試算)**という軽量感も需給を後押しします。反面、素材・為替・在庫回転の変動に業績感応度が高く、直販拡大局面での広告宣伝費・人件費の先行をどう最適化するかがカギです。
まとめ
本件は、小型/売出ゼロ/OA少量という需給仕様に加え、法人導入の継続性と直販基盤が中期の価値ドライバーとなる案件です。初期は流動性の薄さが価格変動を増幅しうるため、初値よりも上場後6~12カ月のKPIトレンド(法人導入件数・EC LTV・在庫回転・粗利率)に沿って段階的にエクスポージャーを積み上げるアプローチが合理的と考えます。




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