【IPO】446A 株式会社ノースサンドの新規上場

2025年11月21日、株式会社ノースサンド(証券コード:446A)が東京証券取引所グロース市場へ上場します。

コンサルティング業界の中でも急成長を遂げてきた同社は、「戦略から実行までを一貫して支援する総合コンサルティング企業」として注目を集めています。本記事では、事業内容からIPOのオファリング概要、株価の見通し、そして投資家として注目すべきポイントを深く掘り下げます。

会社概要・事業内容

ノースサンドは2015年7月に設立されたコンサルティング企業で、IT・業務の両面からクライアント企業の変革を支援しています。

従来の戦略提案型コンサルとは異なり、戦略立案から実装・運用支援までワンストップで提供する“ハンズオン型”のコンサルティングが特徴です。

主要サービスは大きく二つに分かれます。

ひとつは「ITコンサルティング」で、システム導入やアーキテクチャ設計、DX推進支援など、企業のIT構造改革を支援します。

もうひとつは「ビジネスコンサルティング」で、人事・営業・経営企画など非IT領域の課題に対し、実行可能な戦略立案と伴走支援を行っています。

この“実行支援型モデル”が評価され、設立から10年足らずで社員数800名を超える規模に成長。2024年1月期の売上高は91億円、経常利益10億円を超え、2025年1月期は売上・利益ともに過去最高を更新する見通しです。DX化を推進する企業が増える中で、ノースサンドは独自の企業文化と高い実行力を武器に急成長を遂げています。

IPO時のオファリング

証券コード:446A

上場市場:東京証券取引所グロース市場

業種:サービス業(総合コンサルティング事業)

想定価格:1,060円/株

公募株数:9,000,000株

売出株数:8,220,000株(引受人の買取引受による売出し)

オーバーアロットメント:2,580,000株(上限)

オファリング株数合計(OA除く):17,220,000株

オファリング株数合計(OA含む):19,800,000株

想定公開規模:約209.9億円(募集95.4億円+売出87.1億円+OA27.3億円)

時価総額(上場時想定):約731.4億円(発行済株式数6,900万株ベース)

仮条件決定日:2025年11月5日

ブックビルディング期間:2025年11月6日〜11月12日

公開価格決定日:2025年11月13日

購入申込期間:2025年11月14日〜11月19日

上場日:2025年11月21日

主幹事証券:大和証券株式会社

株価についての考察

想定価格1,060円を基準とすると、上場時の時価総額は約731億円。想定PERは約37倍、PBRは約5.8倍となり、グロース市場の中でも「高成長プレミアムを織り込んだ水準」です。

直近の業績推移を見ると、2023年1月期に営業利益が約6億円だったのに対し、2025年1月期は約20億円と推定されており、営業利益率も2倍以上に改善しています。この高い収益成長を背景に、同業のフロンティア・マネジメントやSHIFTなどと比較しても、バリュエーションは決して過熱ではないとの見方もあります。

ただし、吸収金額が約210億円と大型であるため、初値形成時の需給はやや重くなる可能性があります。特に個人投資家が主導するグロース市場では、初値の急騰よりも安定的な寄り付きとなるシナリオが濃厚です。一方で、上場後の中期成長を見据えた機関投資家の参加も期待でき、業績の上方修正や高ROE経営が続くようなら再評価の余地があります。

当該IPOの特殊なポイント

ノースサンドのIPOには、いくつか特徴的なポイントがあります。

まず一つ目は、「実行支援まで担う総合コンサル」というビジネスモデルです。

コンサルティング業界では、戦略立案にとどまる企業が多い中で、同社はクライアントと共に成果を出す“ハンズオン型支援”を徹底しています。このモデルは顧客満足度が高く、リピート率や契約継続率が極めて高いというデータが届出書に示されています。

二つ目は、上場規模の大きさです。オファリング総額約210億円はグロース市場では最大級の部類に入り、同市場全体の資金吸収バランスにも影響を与えかねません。このため、初値形成時には「成長期待」と「需給の重さ」がせめぎ合う展開が予想されます。

三つ目は、ロックアップ構造の堅さです。主要株主には180日から360日のロックアップが設定されており、短期的な売り圧力は限定的。ベンチャーキャピタル系株主が少ない点も、株価安定に寄与します。

また、上場後の資金用途には「人材採用の強化」「ナレッジプラットフォーム構築」「海外展開準備」が挙げられており、IPOを成長資金と位置づけた明確な攻めの姿勢が見て取れます。

つまり、単なる出口ではなく、“さらなる拡大フェーズへのスタートライン”といえるIPOです。

まとめ

株式会社ノースサンドのIPOは、コンサルティング業界の中でも稀に見る成長性と収益性を兼ね備えた案件です。

上場規模の大きさから需給リスクはあるものの、安定した利益成長、堅固なロックアップ、そして明確な資金使途を考慮すると、中長期での成長投資対象として注目すべきIPOといえます。

初値の動きよりも、上場後の決算開示や海外展開戦略、M&A戦略の展開に注目が集まるでしょう。短期的な値動きよりも、成長を信じてホールドするスタイルの投資家に向いた案件です。